消費者庁は、6月17日、2013年度の「消費者白書」を公表した。
同庁によると、高齢者のトラブル件数(08〜13年度)の増加率は5年間で約63%(1.6倍)も増えており、高齢者人口の伸び(約13%)を大きく上回ったことを明らかにした。特に増加しているのが電話勧誘による「健康食品の送りつけ商法」で、高齢者がターゲットになっている実態が浮き彫りになった。
インターネット接続回線、携帯電話サービスなどのトラブルに関しては、全国の消費生活センター等への13年度の相談件数が、09年度の約1.7倍にあたる約4万件と増加傾向にある。中でも光ファイバーなどのインターネット接続回線の相談において、65歳以上の高齢者の割合が、13年度は09年度の1.5倍と、全体の4分の1を占めるまでに増加している。
高齢者の相談1件あたりの平均金額は、契約購入金額で約168万円、既支払額で約87万円で、65歳以下を2~3割上回っている。また、詐欺的投資勧誘など、以前に遭った被害の救済を装って勧誘する手口である「二次被害」についても、2010年度以降大きく増加し、昨年は約7,800件寄せられた。
このように、高齢者がトラブルに巻き込まれるケースが年々増加しており、被害を食い止めるための見守りの強化が重要課題となっている。同庁では、その対策として、2013年度に高齢者を対象とした定期的な電話による見守りや悪質な電話勧誘の通話録音などを行うモデル事業を実施し、地方公共団体向けに対策の手引きを作成した。モデル事業で、「録音します」という警告メッセージを流す機能のある通話録音装置を設置した世帯では、悪質な電話勧誘が大幅に減少したという好結果が出ている。
◎消費者庁
http://www.caa.go.jp/index.html