
40歳以上の2人に1人が高血圧と言われるほど、日本人にとって高血圧は、まさに「国民病」。
加齢とともに動脈硬化が進み血圧も上昇するため、高齢になるほど高血圧患者は増えていきます。治療のために降圧剤を服用している利用者は多いと思いますが、介護職やケアマネジャーの多くは医療知識が乏しいため、利用者が服用している薬について、ほとんど知識がないというのが実情ではないでしょうか。
そこで、今回は降圧剤の基礎知識をご紹介します。
今年の4月に日本高血圧学会により高血圧治療ガイドラインが改訂され、推奨する降圧剤も一部改訂されました。これまでは糖尿病や高脂血症などの合併症がない患者への第一選択薬(医師が患者に対して薬物治療を始めるとき、最初に処方する薬)は5種類あったのですが、今回の改訂でβ遮断薬は第一選択薬から外れました。
現在は、ARB、ACE阻害薬、カルシウム拮抗薬、利尿薬の4種類が推奨されています。それぞれに異なる作用がありますが、それはかなり専門的なので省略して、ここでは介護職が知っておきたい副作用についてご説明します。
ARBは安定した効果が期待でき、心臓や腎臓を保護する作用もあるので、ファーストチョイスする医師は多いようです。副作用は少ないのですが、めまいや動悸を起こす可能性も。カルシウム拮抗薬もよく使われる薬ですが、足のむくみや歯肉の腫れなどの副作用が出ることもあります。
ACE阻害薬は、のどのイガイガ感や空咳の副作用が。利尿薬はたくさん飲んでも効果は変わらず、脱水や糖尿病、痛風などの副作用が増えるので少量処方が基本。他の薬と合わせて飲むことが多くなります。
降圧剤に限らず薬にはいろいろな副作用があるので、利用者の様子がいつもと違うことに気づいたら、服用している薬を疑ってみることも大切です。




