
私たちは、なんとなく大きな病院(地域医療支援病院や大学病院などの特定機能病院)で診てもらったほうが安心だと思ってしまいがちですよね。
でも、大きな病院だからと言って万能ではありません。それは、前回ご紹介したように、現在の病院は役割別に分類されているため、病院ごとに得意分野が異なるからです。
例えば、大学病院は診療・研究・教育の3機能なので、リハビリやターミナルケアなどは本来の役割ではないため得意とはいえません。
脳梗塞で倒れて大病院に救急搬送され入院治療した結果、改善の兆しが見えてくれば、主治医はリハビリ専門病院を紹介し、転院を勧めるケースが多いでしょう。これは急性期の治療という大病院の役割を終えたため、次の段階として別の役割を持つ病院に転院したほうが患者にとってよいと主治医が判断したためで、患者を追い出しているわけではないのです。
自分に必要な医療を最も得意とする病院を自ら選択する。こうした意識が、今の時代には必要なのかもしれません。
ただし、何か体に不調があるとき、自己判断でいきなり専門医を受診するのは考えもの。医療が細分化しているため専門外の知識に欠けている医師も少なくありません。自分の病気とは関係ない専門医を受診したために病気の発見が遅れるリスクもあるのです。
大切なことは近所に「かかりつけ医」を持つこと。
体に不調があったら、まず「かかりつけ医」に診てもらいましょう。
何か病気の可能性があると診断されれば「かかりつけ医」は大きな病院への紹介状を書いてくれます。段階を踏んで医療機関のレベルを高くしていくほうが安心確実ですし、無駄なお金を払わずにすみますよ。




