和歌山県海南市立の特養で介護職員6人による虐待12件、県が市に対して改善勧告

和歌山県は、7月5日、特別養護老人ホーム「海南市立南風園」に対して、高齢者虐待の改善勧告を行ったことを発表した。

同県の高齢者生活支援室によると、同施設における虐待件数は12件で、虐待されたのは7人、虐待を行ったのは介護職員6人。 身体的虐待(1件)のほか、威嚇的、侮辱的な発言や態度などの心理的虐待が11件にのぼった。

県は、園の開設者である海南市に対して、入所者が安心して施設サービスなどが受けられるよう、職員研修や入所者家族への説明会、組織体制の見直し、第三者を含めた虐待防止委員会の設置などを求めている。

【対象施設の概要】
■施設名:海南市立南風園
■サービス種別:介護老人福祉施設特別養護老人ホーム
■所在地:和歌山県海南市木津233-40

【経緯】
1)施設内虐待の通報(手紙・DVD)をもとに、和歌山県と海南市で2012年3月5日〜7月4日にかけて共同調査を実施した。
2)共同調査は、施設職員、入所者からの聴き取り調査、入所者の家族からの情報提供、記録調査の方法で行い、複数職員による複数入所者への虐待行為が確認された。
3)施設運営について、2012年3月16日から監査を実施した。

【認定事実】
1)虐待件数:12件
2)被虐待者数と性別:7人(男性2人、女性4人、不明1人)
3) 被虐待者の年齢階層:75歳〜79歳 1人  80歳〜84歳 2人 85歳〜89歳 3人  不明 1人
4) 被虐待者の要介護度:要介護3・4・5 各2人  不明 1人
5) 虐待の種別
・身体的虐待:1件
・心理的虐待:11件(威嚇的な発言や態度3件、侮辱的な発言や態度5件、家族の存在や行為を否定するような発言や態度2件、心理的に孤立させるような行為1件)

6) 虐待を行った職員の職種:介護職員6人

高齢者虐待に対して行った措置】
開設者である海南市に対して、虐待に対する改善勧告を行った。

1)早急に講ずべき措置
入所者が安心して施設サービスを受けられるようにするため、下記に留意して緊急措置を講ずること。
・再度、虐待行為が発生しないように職員全員を対象にした研修の実施。
・入所者とその家族に対して、今回の虐待に関する説明会の開催。
施設サービス計画が作成されていない入所者について、正しい手順による早急な計画の作成。
・事故が発生した場合や、それに至る危険性がある事態が生じた場合の対処方法やその分析を通じた改善策の職員への周知徹底。

2)組織体制の見直し
下記に留意して、再発防止に向けた組織体制の見直しを図ること。
・開設者である海南市の管理監督体制の構築。
・施設の介護理念、基本方針、具体的な方策の周知徹底。

3)高齢者虐待防止改善計画の策定
高齢者虐待防止改善計画を策定し、入所者、入所者の家族、全職員への周知。
・計画策定に当たっては、第三者を含めた虐待防止委員会において審議する。

4)第三者を含めた虐待防止委員会の設置等
虐待発生の原因分析、発生防止策の検討・検証を行う委員会を設置し、高齢者虐待防止改善計画の策定を審議すること。
・海南市が同委員会から定期的に報告を受けて、必要に応じて当該施設に対する指導や助言を行う仕組みを構築すること。

5)報告期限
・上記1)について、 2012年8月6日
・それ以外について 2012年10月5日

■情報提供:和歌山県福祉保健部 福祉保健政策局 長寿社会課・高齢者生活支援室

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