帝人ファーマ株式会社は、安心・省エネタイプの在宅医療用酸素濃縮装置「ハイサンソ3S」を、全国の医療機関に向けてレンタルを開始した。
現在、在宅酸素療法用の酸素濃縮装置を使用している患者は全国で約15万人と推定されているが、その大半が高齢者であり、その家族も高齢であるケースが多い。そのため、患者の日常生活の一部として使用される酸素濃縮装置は、安全かつ使いやすいものが求められている。こうした背景から同社は、機器の運転状況のモニタリングシステムをはじめとする多様な安心・安全機能と、ユニバーサルデザインを取り入れた、使いやすい操作性能が特長の3リットルタイプ(1分間に最大3リットルの酸素を供給できる)の酸素濃縮装置を開発した。
■「ハイサンソ3S」の特長:
1)運転状況のモニタリングシステムに対応
電話回線や携帯電話通信網を通じて、機器の運転状況を24時間・365日モニタリングするシステム「HOT見守り番」に対応。これにより、機器の異常や性能低下をいち早く検知することができるため、患者に安心して使用してもらえる。
2)安心・安全機能
吸入用チューブが折れて酸素流量が低下した場合は、流量再調整機能によって自動的に設定流量を確保。それでも設定流量が十分に確保できない場合は、警報ブザーと音声メッセージで対処方法を案内する。また、停電や故障時にも、音声メッセージで酸素ボンベへの切り替えを促し、連絡先に電話するよう案内するなど、トラブル発生から解消まで、操作パネル上のイラストや表示ランプ、および音声メッセージで適切な対応を案内する。
3)トップクラスの低消費電力
患者からの改善要望が多い消費電力低減について、高効率コンプレッサーを搭載することにより、消費電力を業界最低水準である80W(設定流量1リットル/分使用時)に抑えている。
■健康保険適用について:
1)保険点数
在宅医療指導管理料:2,500点、機器加算:4,000点、携帯ボンベ加算:880点、デマンドバルブ(吸気時のみに酸素をボンベから供給するバルブ):300点
2)患者の負担
1割負担の場合:7,680円/月、2割負担の場合:15,360円/月、3割負担の場合:23,040円/月
※いずれも、携帯ボンベ・デマンドバルブを併用した場合
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