東京都中央区は、新年度の予算として、高齢者あんしんネットの拡充を図ることを発表した。
昨今の高齢者の孤独死や所在不明など、高齢者の社会的な孤立が大きな問題となっている中、前回の国勢調査によると同区は全国一の増加率で人口が増加し、マンションなどの集合住宅に住む世帯の割合も86%と全国一で、居住者の姿が見えにくい状況が生じている。こうした状況を踏まえ、高齢者が住み慣れた地域で安全で安心して暮らし続けられるように「おとしより相談センター(地域包括支援センター)」を核とした地域の見守り活動を推進し、高齢者あんしんネットの拡充を図るという。
【おとしより相談センター(地域包括支援センター)の機能強化】
地域見守り活動の核となる拠点として、3ヶ所に職員を各1名増員し、24時間年中無休で高齢者を見守る体制を整備する。予算1億3,039万円。
【地域見守り事業支援の強化】
民生委員に加え、地域による見守り活動が進むように、町会・自治会、管理組合等の協力団体の参加拡大を図り、郵便事業者や新聞配達所など民間事業者への協力を働きかける。関係機関によるネットワーク会議を開催する。協力団体20団体。予算164.5万円。
【高齢者あんしんコール事業の拡大】
夜間対応型訪問介護の対象者にならない一人暮らし高齢者等を対象に、2010年6月から実施している、都内で唯一実施している事業の拡大を図る。24時間年中無休で相談やアドバイスを行い、緊急時には自宅を訪問して適切な支援を行う。対象者見込90人。予算約1,420万円。
【緊急通報システムの充実】
従来の緊急ボタンに加え、「人感センサー」による見守りサービスを追加する。対象者見込み8,350人。予算約638万円。
【高齢者食事サービスの充実】
栄養補給と共に安否確認の充実を図るため、昼食に加え、夕食の配達を開始し、合計で週14食まで拡大する。予算3,346万円
【一人暮らし高齢者実態調査の充実】
65歳以上の一人暮らし高齢者の実態を把握するため調査を行う。その際、これまで一人暮らしではないと確認されていた高齢者に対して再調査を行う。対象者見込み8,350人。予算約1,115万円。
【災害時地域たすけあい名簿の充実】
災害時に避難する際に地域の手助けを希望する方を登録した名簿の再編を行う。対象者見込1万310人。予算約104万円。
この他、「高齢者に対するサービスの充実」として、要介護者に対して、24時間巡回型ホームヘルパーを派遣するサービス、24時間通報対応、夜間の定期巡回、緊急の養成に応じた相談・アドバイスを行い、必要に応じて介護福祉士などを派遣するサービス等を実施する。
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