厚生労働省は、2024年度に予定される介護報酬改定(24改定)に向け、LIFEを居宅介護支援事業所で活用する上での課題などを探る調査を行う。7日の社会保障審議会介護給付費分科会でその実施を提案し、了承を得た。
LIFEは「科学的介護情報システム」(Long-term care Information system For Evidence)の略称で、昨年4月から本格的な運用が始まった。昨年4月の介護報酬改定では、LIFE へのデータ提出と活用を図るため、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、グループホーム、デイサービス、小規模多機能型居宅介護など多くのサービスに加算が設けられた。一方、居宅介護支援や訪問系サービスは、その対象とならなかった。
ただ、厚労省は居宅介護支援事業所でのLIFE活用を目指した取り組みを既に開始している。今年度には居宅介護支援事業所10カ所を対象に、LIFEへのデータ提出やフィードバックを試行するモデル事業を実施した。
さらに新年度には、具体的なLIFEの活用方法や課題などを探るため、より多くの事業所を対象とした調査を行う方針を決定。介護給付費分科会にその実施を提案した。
同分科会の委員からは厚労省の案に反対する意見は出なかったことから、調査は新年度に実施される見通しだ。
今年度のモデル事業も新年度の調査も、24改定を見据えた調査研究事業だ。そのため24改定では、LIFE活用を促進する何らかの施策が居宅介護支援に導入される可能性が高い。
そのほか、7日の介護給付費分科会では、24改定に向け、次のテーマで調査研究事業が実施されることも決まった。
・都市部、離島や中山間地域などにおける、2021年度介護報酬改定などの措置の検証
・施設のリスクマネジメント
・施設における医療及び介護サービスの提供実態など
・LIFE を活用した取組状況の把握
・介護現場でのテクノロジー活用