群馬県は、誤って8年間の有効期間を付与した介護支援専門員証(証明証)を交付していたと発表した。法定研修の臨時措置の解釈を間違えたことが原因。同県によると、449人のケアマネに有効期間が誤った証明書を交付したという。
ケアマネの資格の有効期間は5年間と定められており、資格を更新するには、有効期間の間に法定研修を受講しなければならない。
しかし昨年以降、コロナ禍で法定研修の中止・延期が相次いでいる。そのため厚生労働省は昨年3月、法定研修を受講できないまま資格更新時期を過ぎてしまうケアマネについて「都道府県が認める期間内は資格を喪失しない」とする事務連絡を発出した。
つまり、都道府県が認める猶予期間内に研修を受け、更新手続きをすれば、たとえ更新時期が過ぎていたとしてもケアマネの資格は維持される。=図1=
厚労省の事務連絡を踏まえ、同県は猶予期間を3年間と定めた。
■誤った証明証は449人分、回収・再交付へ
しかし、同県では猶予期間について「一律で資格が延長される期間」と誤って解釈していた。また「その間に更新すればさらに5年間、資格が有効になる」とも解釈=図2=し、昨年8月から今年9月にかけて、更新手続きをしたケアマネ449人に、元の期限から8年間の有効期間を付与した証明証を交付した。
この事態を同県が把握したのは先月初旬。8年間の有効期間に疑問を抱いた職員が厚労省に問い合わせて、誤解釈であることを確認した。今後、同県では449人の証明証を回収した上で、正しい有効期間を付与した証明証を再交付する方針だ。