第49回衆院選が19日公示され、各党の候補者は、31日の投開票に向けた選挙戦に突入した。今回の選挙はケアマネジャーにどう影響するのか―。介護分野を中心に、与野党の主な選挙公約をまとめた。
後編では、野党のうち、立憲民主党と日本共産党、日本維新の会、国民民主党の選挙公約を概観する。
<立憲民主党>
■非正規職員は5年で正規化、20万円の慰労金の再給付も
「新型コロナから命と暮らしを守り抜く」などを掲げた、「政権政策2021」を公表した立憲民主党。公約では、新型コロナウイルス感染症の患者に対応した介護や医療の従事者には改めて20万円の慰労金を支給するとした。
また、必要な時に誰でもすぐに受けられるPCR検査体制の確立や国産ワクチン・治療薬の開発への支援なども盛り込まれた。
さらに、介護の担い手の質と量を充実させるため、「職員の待遇改善を図り、希望する非正規職員について5年をめどに正規化」することも提示。介護や医療などの窓口の自己負担を減らす方針も示した。
<日本共産党>
■「ケアプラン有料化に反対」も公約に明記
日本共産党は「2021 総選挙政策」で、「『いつでも、誰でも、無料で』という立場で、大規模・頻回・無料のPCR検査の実施」や「感染が集中するスポットでの集中的なワクチン接種と大規模検査の実施」などを掲げた。
利用抑制や支出増に苦しむ介護事業所への減収補填や、公費による介護職員の緊急的な処遇改善、介護サービスにおける2割・3割負担の撤回なども訴えている。
また、高齢者の身近な相談相手・専門家としてケアマネの育成を進める方針も示し、退院時のケアマネの相談支援については介護報酬の評価の対象にするとした。ケアプランの有料化には反対する姿勢を明示している。
<日本維新の会>
■介護の産業化めざし、ロボット開発などを支援
日本維新の会は「維新八策2021」で、コロナ禍を踏まえ、有事の際には「十分な経済的補償を前提とした上で、医療機関・医療関係者に対する実行力のある要請・命令が行えるよう法整備を行う」とした。
また、介護現場で働くすべての方の待遇・職場環境改善の実現を明示。介護人材への負担の軽減と職場への定着、介護の成長産業化を図るため、現場で活用できるロボット開発・テクノロジー導入を支援する方針も示した。
そのほか「介護報酬の決定のプロセスの透明化と報酬体系の簡素化」や「自立支援に軸足を置いた介護の推進」も掲げている。
<国民民主党>
■コロナ禍の影響を受けた業者には固定費を9割まで支援
国民民主党は「重点政策2021」で、新型コロナウイルス感染症の「まん延防止協力金」として、一律10万円を給付することを提示。さらに低所得者には10万円を上乗せして給付するとしている。
また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた業者には、業種や地域を問わず、減収幅に応じて家賃や光熱水費などの固定費を最大9割まで支援する方針も示した。
さらに介護サービスの質を確保するため、全ての介護職員の賃金を引き上げることも提示。かかりつけ医と訪問看護など医療と介護の連携推進、在宅サービスの充実、配食や見守りなどの促進を行い、「地域包括ケアシステム」の構築と定着を進めるとした。