深刻な人手不足が続くヘルパー業界。ケアマネジャーにとっても、その確保は重い負担となっている。そんなケアマネの負担を軽減し、ヘルパー不足の解消にもつなげるため、ITシステムを活用した実証実験が、今月下旬から東京都渋谷区で始まる。
渋谷区の協力のもと、ITシステムを活用した実証実験を行うのは、「みーつけあ」(東京都中央区)。実証実験の参加対象となるのは渋谷区内の居宅介護支援事業所約と訪問介護事業所だ。
実証実験では、複数の訪問介護事業所のヘルパーのスケジュールを一元管理できる「みーつけあ」のITシステムを活用する。ケアマネはそのシステムに登録されたヘルパーのスケジュールを確認することで、より効率的に訪問介護事業所を選び、仕事を依頼することが可能になる。=図=
ケアマネがヘルパーに仕事を依頼する場合、訪問介護事業所に一軒ずつ連絡し、スケジュールを確認したり、調整したりしなければならない。その結果、調整に長い時間がかかることも多く、ケアマネにとっては大きな負担となる。
また現状の仕組みでは、稼働できるヘルパーがいるのに依頼が舞い込まないという「需要と供給のミスマッチ」が起きやすく、業界全体の人手不足もなかなか解消しないという問題もある。
実証実験では「みーつけあ」のITシステムを活用することで、ケアマネの負担軽減とヘルパーの人手不足の解消を目指す。この実験を官民連携オープンイノベーション「Innovation for New Normal from Shibuya」で採用した渋谷区は、「10月18日までに申し込みがあった事業所を対象に、来年1月町まで実証実験を行う予定」(福祉部介護保険課)としている。