福祉用具事業者になりすまして利用者宅を訪問し、レンタル中の福祉用具を「自分の物にできる」などと働きかけ、お金をだまし取ろうとする事例が関東地方で複数発生している。一般社団法人日本福祉用具供給協会は、「無作為に高齢者を狙っている可能性がある」として、会員やケアマネジャーらに注意喚起している。
同協会によると、8月下旬に複数の会員から情報提供があった。それによると、福祉用具の点検を装った者が、社名を名乗らずに利用者宅を訪問。利用者が「●●さん?」と尋ねると、「そうです」と返答し、担当者になりすまして「レンタルよりも購入の方が安くなります」などと誘い、レンタル中の福祉用具の購入費としてお金をだまし取っているという。
会員からの情報では、認知症の利用者宅を訪れた事例や、不信に思った利用者が担当ケアマネに連絡し、未遂に終わったケースもあった。
同協会の担当者は、「最初は利用者の名簿が流出したのではないかと考えたが、複数のレンタル事業者の利用者が関わっていた。無作為に高齢者を狙っている可能性がある」としている。同協会にこうした事例が寄せられたのは初めてという。