新型コロナウイルスの感染拡大や2021年度の介護報酬改定を踏まえ、全国老人福祉施設協議会(老施協)は「コロナ慰労金」の介護従事者への再支給やケアマネの処遇改善などを求めた要望書を、田村憲久厚生労働相に提出した。
要望書では、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、介護従事者の心身のストレスは「限界状況にある」と強調。加えて高齢者福祉・介護事業の経営環境や人材不足は、厳しさを増していることから、主に次の支援について補正予算での対応を求めた。
・高齢者福祉・介護従事者に対する慰労金の再支給
・コロナ対策のための介護報酬の0.1%上乗せを9月30日以降も継続
また、「家族の家庭内療養などのために濃厚接触者となった介護職員の自宅待機期間の短縮」や「介護現場におけるICT・ロボットの導入に対する支援の充実」なども求めている。
■ケアマネ資格、取得や更新の負担軽減も要望
要望書では、21年度の介護報酬改定で居宅介護支援の基本報酬が引き上げられたことは評価しつつも、ケアマネの処遇改善を実現するには「まだ不十分な状態」と指摘。また資格取得や更新もケアマネの大きな負担となっていることから、24年度の介護報酬改定ではケアマネの処遇改善と資格の取得・更新の負担軽減を実現するよう要望した。
同様に24年度の介護報酬改定で実現を求める事柄として、▽「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」の加算額の拡大と算定手続の簡素化▽「日常生活継続支援加算」や「入浴介助加算」などの算定要件の緩和―などを挙げた。