政府は「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」(GL)を改定・公表した。新たなGLには、「要配慮者」(※)と呼ばれる災害弱者を支援する上で、ケアマネジャーが果たすべき役割についても盛り込まれている。
福祉避難所については、想定していない被災者が避難してくるなどの課題が指摘されていた。そのため、国は今年5月に災害対策基本法規則を改正。GLも改定した。
GLでは、市区町村が指定する福祉避難所については、例えば「重度障害がある子ども」「妊産婦」「要介護3以上の高齢者」など、あらかじめ決められた対象者とその家族を受け入れるとした。また、市区町村が福祉避難所の計画を検討する際には、 感染症や熱中症対策について保健・医療関係者の助言を得る必要があるとした。
■要配慮者の避難場所、ケアマネの意見も「勘案」し決定
GLでは、福祉避難所として指定を受けていない一般の避難所の運営組織の中にも、介護・福祉・医療などの専門家や地域住民らで構成する「要配慮者班」を設置する方針も示した。さらに一般の避難所にも、要配慮者からの相談対応などを担う窓口を設けることや、要配慮者のためのスペース(要配慮者スペース)を設置するとしている。
一般の避難所に避難してきた「要配慮者」については、その状態などに応じて一般の避難所で生活してもらうか、「要配慮者スペース」や指定の福祉避難所、施設などに移ってもらうかを決めなければならない。この点についてGLでは、市町村がその決定をする際、本人・家族の希望を重視するだけでなく、ケアマネジャーや相談支援専門員、保健師らの意見も「勘案する」としている。