ケアマネジャーの「養成研修」の修了評価は、確実 に実施 し、到達水準の達成を徹底すべき―。このほど、厚生労働省の「介護支援専門員の資質向上に資する研修等のあり方に関する調査研究事業」の報告書が公表された。報告書では「養成 研修」の 見直しに向けた方向性として、オンラインで受講できる環境整備などに加え、修了評価の“厳格化”も盛り込まれている。
報告書では、法定研修や実務研修、事業所でのOJTまでを含めたケアマネの「養成研修」の課題として、「介護保険制度や高齢者の状況の変化」や「新型コロナ感染症対策の観点も考慮した研修方法」「自己評価を主とした修了評価」などを提示。その上で、今後の「養成研修」の見直しの方向性として、次の項目を挙げた。
1.体系的な知識を学ぶための研修時間の確保
2. オンライン研修を念頭に、より効果的な養成研修の実施方法・実施体制の実現
3.講師やファシリテーターの確保と充実
4.修了評価の確実な実施
■「標準的なテスト問題」の必要性も指摘
4.については、修了評価は落第させるために実施するわけではない点を強調しつつも、「修得不十分な受講者が、介護資源の確保への配慮の観点等から修了を認められる状況は是認されるべきではない」と指摘。修得状況が不十分な受講者には、補講やレポートの提出などによって、知識を補うことが必要としている。
さらに、養成研修のカリキュラムの見直しにあたっては、国や職能団体が中心となり、標準的なテスト問題を作成するなど、「修了時の質の担保を図るためのある程度統一的な修了評価の仕組みの導入」も検討すべきとした。
1.を実現するための具体案としては「事前学習の実施を受講要件とするなどして、法定研修の前に体系的な知識を学ぶための時間数を確保」や、「法定研修のカリキュラムを知識学習重視に見直す」などが示された。
3.については、特にオンライン研修に対応できる知識やノウハウを身につけた講師やファシリテーターの確保の必要性を指摘している。
また、養成研修で重視すべき内容としては「サービス調整に加えて、意思決定支援と相談援助の提供」「医療をはじめ多様な地域資源との連携のハブとしての役割」などを提示。主任ケアマネの研修ついては「他の介護支援専門員の指導・助言を より 効果的に展開できる」ことを重視すべきとした。