高齢者への新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が始まったことを踏まえ厚生労働省は、認知症などで意思の確認が難しい人の場合、どのように対応するかを示した事務連絡を、自治体などに向けて出した。
新型コロナウイルス感染症のワクチン接種は、本人の希望が実施の前提となる。しかし、認知症の人の場合、意思の確認が難しいことが想定される。また、予診票への記入も、本人だけではできないことが考えられる。
事務連絡では、認知症などで意思確認が難しい場合については、季節性インフルエンザの定期接種と同様に、家族やかかりつけ医、高齢者施設の従事者などが本人の接種の意向を丁寧に酌み取ることが必要とした。意思は確認できるものの、予診票の接種の希望欄に自分で記入できない人については、家族らによる代筆を認める方針も示している。
事務連絡では、成年後見人制度を利用している人がワクチン接種を受ける場合についても具体的な対応を示した。
それによると、本人に接種の意思がある場合、その意思を確認した人が予診票の接種の希望欄への署名を代筆できるとしている。
接種の意思の確認が難しい場合は 成年後見人であれば予診票の接種の希望欄に署名することができる。だが、その場合でも「家族や医療・ケアチーム等、本人の周りの方と相談しながら判断」する必要があるとした。
また、成年後見人制度を利用しており、接種券の受け取りが困難な人の場合は、その送付先を成年後見人や保佐人、補助人、任意後見人とすることも可能としている。