厚生労働省は来年春の介護報酬改定にあわせて、居宅介護支援の特定事業所加算「I」の要件を見直す方針を示した。中重度の要介護者が利用者の4割以上を占めることを求める要件(中重度者要件)が見直される見通し。
特定事業所加算は、「I」「II」「III」と「IV」がある。「I」から「III」は、主任ケアマネジャーの数や、常勤のケアマネの人数、24時間連絡体制などが要件となっている。なお「IV」は、「I」から「III」のいずれかを算定している上で、医療との積極的に連携している場合、算定できる。
このうち単位数が最も高いのは「I」だが、算定している事業所は、1.05%にとどまる。そして厚労省が算定できない理由を調査したところ、「中重度者要件」を満たすことが難しいとする声が43.1%で最も多かった。次いで多かったのは「主任ケアマネを1人以上配置できない」の42.8%だった。
厚労省は上記のようなデータを示した上で、特定事業所加算の要件について議論するよう、同分科会に求めた。事実上、見直すべき「I」の要件について議論を求めたといえる。これに対し、社会保障審議会介護給付費分科会の委員からは、「中重度者要件」の見直しを求める声が相次いだ。
■保険外サービスに関する要件導入も検討へ
また、厚労省は同分科会に対し、介護保険外サービスを盛り込んだケアプランの作成を推進することを意識しつつ、特定事業所加算の要件の見直しを議論することも求めた。まだ具体的な提案はないものの、来年春の介護報酬改定にあわせ、介護保険外サービスに関する要件が特定事業所加算に盛り込まれる可能性が高まっているといってよい。