厚生労働省は10月30日、来年春の介護報酬改定に向けた議論の基礎資料となる2020年度の「介護事業経営実態調査」(実態調査)の結果を、社会保障審議会介護給付費分科会の介護事業経営調査委員会に示した。全サービスの平均収支差率は2.4%で、19年度の「介護事業経営概況調査」(概況調査)と比較すると、0.7ポイント下がった。居宅介護支援の収支差率はマイナス1.6%で、概況調査に比べると1.5ポイント下がった。
居宅介護支援や介護老人福祉施設、通所介護、訪問介護など23サービスの3万1773施設・事業所を対象に19年度の決算を調査。約1万4376施設・事業所から有効回答を得た。
それによると、最も収支差率が高かったのは定期巡回・随時対応型訪問介護看護の6.6%。収支差率がマイナスとなったのは、居宅介護支援だけだった=表=。収支差率が概況調査より下がっていたのは17サービスだった。
各サービスで収支差率が下がっている点について厚労省は、より深刻化した人材不足が影響したのではないかとしている。
また、16サービスで収入に対する給与費の割合が高まっていることも分かった。収入に対する給与の比率が最も高かったのは居宅介護支援の83.4%だった。