慶応大学看護医療学部の研究者グループが、体力維持のため、高齢者が自宅でいつでも楽しく運動ができるように、インターネットで運動プログラムを配信している。
体操は、目が覚めた時にベッドや布団上で体をほぐす「お目覚め体操」(7分)、筋肉や関節を柔らかくし体のバランスを整え、筋力を強める「お茶の間体操」(17分)、肩こり予防体操(6分)、膝の痛み予防体操(9分)、転倒予防1(7分)、転倒予防2(10分)の6種類が紹介されている。いずれもゆっくりとした動きで、専門家のナレーションに合わせて取り組める。
それぞれの体操を利用して運動するだけでなく、「ねっとDE体操@ホーム」に登録すれば、個人的に運動状況を記録したり、その成果を確認したりすることができる。また、この記録の内容をサイト上に公開すると、参加メンバーとの情報交換やコミュニケーションを行うことも可能だ。さらに、地元グループサークル等で利用できるグループ機能もついている。
開発は文部科学省の事業の一環として、2005年から行われた。高齢者が生活の中で楽しみながら、個々人に適した運動プログラムを選択しつつ、自分のペースで主体的に運動を継続・習慣化し、日常生活機能の維持・向上を図るのがその目的。将来的には、IT技術を使って、自宅と病院、施設等において、自立ケアに関する情報を共有するシステムの構築へと発展させていきたいという。
今のところ、高齢者にはパソコンを使いこなすことがハードルとなり、浸透度はいまひとつだそうで、今後は、看護医療学部の公開講座などで参加者に体操のDVDを配布するなどし、少しずつでも普及に努めたいという。