居宅介護支援事業所のケアマネジャーの4割が、新型コロナウイルスの影響で新規の利用者数が減少していたことが、慶大大学院の堀田聡子教授らが行った調査でわかった。最初に緊急事態宣言が発動された東京など7都府県では半数に上り、国の警戒レベルが厳しかった地域ほど、「減少した」と回答したケアマネの割合は高かった。
調査は5月12~18日にインターネット上で行われ、居宅介護支援事業所のケアマネ1066人から有効回答を得た。
最初に緊急事態宣言の対象となった7都府県(東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡)を「圏域1」、これらを除く「特定警戒都道府県」(北海道、茨城、石川、岐阜、愛知、京都)を「圏域2」、その他の34県を「圏域3」と分け、エリアごとの影響を調べた。
新規の利用者数が「減少した」と回答したケアマネは全体の40.2%を占めた。これをエリア別で見ると、「圏域1」が50.5%で最も高く、次いで「圏域2」(41.5%)、「圏域3」(32.8%)と続いた。
また、外部関係者との会議の調整が「難しい」と回答したケアマネは全体の85.9%に上り、いずれのエリアでも8割を超えた。さらに全体の74.8%は、利用者の現状把握が困難だと感じていることもわかった。感染拡大の影響で、利用者から訪問を拒否されたケアマネは全体の65.9%に達し、「圏域1」と「圏域2」では共に7割超を占めた。
■事業縮小、6割近くが「あった」
感染が広がった2月から4月末までの間に利用していた介護サービス事業所の運営状況を尋ねたところ、全体の57.0%が事業の縮小が「あった」と答え、「圏域1」では71.9%に達した。これをサービス別で見ると、「通所介護」が43.8%でトップだった。
さらに全体の44.1%は、事業を休止した事業所が「あった」と回答。サービス別では、こちらも「通所介護」(31.7%)が最も高く、警戒レベルが厳しかったエリアほど、その割合は高かった。