厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染リスクを下げるため、入浴介助を清拭で行うなど、ヘルパーが身体介護の時間をできるだけ短くする工夫をした結果、サービスを提供した時間が訪問介護計画の「標準的な時間」を下回った場合でも、計画上の時間による介護報酬の算定は可能とする見解を明らかにした。
「標準的な時間」よりも著しく短い状況が続く場合、通常は、サービス提供責任者がケアマネジャーと調整した上で、訪問介護計画を見直す必要があるが、同省は、新型コロナウイルスの影響で短時間になったことを事前に利用者に説明し、請求前に同意を得ておけば、生活援助と同様に「訪問介護計画の見直しを要しない」とし、利用者の同意は、ケアマネ経由でもらっても差し支えないとした。
一方、外出介助で買い物に行った際に店が混雑しているなど、逆に「標準的な時間」よりも長くなった場合は、▽事前に利用者に説明し、請求前に同意を得る(ケアマネ経由でも可)▽ケアマネが必要性を認める―の2つを満たせば、実際にサービスを提供した時間による単位数の算定が可能とし、訪問介護計画と居宅サービス計画に関しては、「保険者からの求めに応じて、必要な変更を行うこと」とした。
■利用控えで空き、受け入れ可能
同省はまた、通所系サービス事業所の利用者が自主的にサービスの利用を控えたことで空きが生じた場合、定員を超えない範囲で、休業している他の同一サービス事業所から利用者を受け入れることも可能とする見解も併せて示した。
その際、受け入れる利用者の居宅サービス計画を変更する必要があるが、同省は「サービス提供までに説明を行い、同意を得ていれば、文書はサービス提供後に得ることとしても差し支えない」とした。