厚生労働省は11月29日、 「今後の介護人材養成のあり方に関する検討会」の第7回を開催し、介護福祉士国家試験の受験要件として検討を進めている600時間課程の研修内容や受講のための環境整備などについて、委員らの意見を聞いた。
10月に開かれた前回会合において、現場の介護従事者からヒアリングした結果、「600時間を半年で受講するのは非現実的」「研修の内容がわからない」「ただでさえ人材不足の現場で人手薄になるのは負担が大きい。代替要員が必要」などの批判が相次いだことを受けて、今回の会議では現時点で考えられる研修の概要案が示された。
【働きながらでも研修が受けられるような支援策】
<現場職員への支援>
●研修を6カ月間で終える必要はなく1〜2年かけてもよい
●ヘルパー2級、認知症研修修了者などは研修の一部免除するなど、過去の研修受講歴を評価
●通信教育の積極的な活用
●地域の社協・団体・施設などでの研修受講も可能にする
●受講費用の貸与、要件を満たせば返還免除
<現場職員への支援>
●地域の中核的な法人から職員を派遣する
●研修中に代替職員を雇用した場合の人件費補助
研修の内容については、「現場経験のみでは習得できず、6カ月間の受講によって得られる知識・技術」として、制度改正や認知症の知識、利用者や家族に対する総合的なアドバイスなど相談援助などがあがった。
続く議事の「より高い知識・技術をもつ介護福祉士の養成について」では、介護福祉士を育成する方向性について、10月の前回会議でも議案に上った、専門性を高めた「スペシャリスト」とするのか、幅広い知識・技術に対応する「ジェネラリスト」とするのかという論点が再掲されたにとどまり、「より高い知識・技術をもつ介護福祉士」がチーム内で指導役を担うことで委員らの意見は一致したものの、踏み込んだ議論はなされなかった。
次回会議は12月中旬または下旬に開催される。
◎「資格に重みを持たせるための長時間研修はバカげている」――人材会議レポート2・各委員意見へ続く