新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、介護に関連する団体からも支援を求める声が相次いで上がり始めた。全国介護事業者連盟は、収入が減った事業者への補助や助成、介護職員への特別手当の支給などを求める要望書を菅義偉内閣官房長官に提出した。要望書では、入所系サービスで大規模な感染が発生した場合、施設内の消毒や物資確保などの支援のために自衛隊を派遣することも求めている。また日本介護福祉士会や全国老人保健施設協会も、加藤勝信厚生労働大臣に要望書を提出。介護現場への一刻も早い支援を訴えている。
全国介護事業者連盟は4月2日から10日にかけて、今年3月末時点での経営状況について緊急調査を実施。1789カ所の介護事業所から回答を得た。調査の結果、新型コロナウイルスの感染拡大が経営に影響を及ぼしていたり、及ぼす可能性があったりする事業所は93%に達した。
この結果について全国介護事業者連盟は、「4月以降、状況はさらに深刻化している」とし、以下の実現を求めた要望書を菅官房長官に提出した。
・前年比で一定割合の減収となった介護事業者への補助もしくは助成
・介護事業所への感染症対策費用の支援
・感染のリスクを負って従事する介護職員への特別手当
・感染者が発生した事業所に対する防護具などの提供
・大規模な感染が発生した事業所への自衛隊の派遣
■「介護崩壊も近づいている」-日本介護福祉士会・石本会長
また全国老人保健施設協会は、施設で感染者が出た場合、「優先的かつ速やかに病院へ入院できるよう、各都道府県へ厳しく」指導することを加藤厚労大臣に要望。さらに日本介護福祉士会は、衛生用品の安定的供給体制の確保と非接触型体温計の確保、そして介護福祉士をはじめとした介護従事者に対する特別手当などの給付を求める要望書を加藤厚労大臣に提出した。