介護家庭、ウイルス大敵 持ち込まない、うつさない

■支える側も体調管理を

 高齢や持病のある人ほど、新型コロナウイルスによる肺炎は重症化しやすい。介護の必要な人のいる家庭では、どのように注意すればよいのだろうか。家庭医で公衆衛生に詳しいほーむけあクリニック(広島市中区)の横林賢一院長は「ウイルスを持ち込まないことが原則」と注意を呼び掛ける。

 厚生労働省は、高齢者に加え、糖尿病心不全などの持病のある人、透析を受けている人、抗がん剤を使っている人たちが新型肺炎にかかると重症化しやすいと注意を促す。介護の必要な人も警戒すべきだ。在宅介護の場合は、一緒に住む家族から感染することのないように気を配る必要がある。

 横林院長は「手をアルコール消毒してから家に入るのが理想的です」と話す。ウエットティシュで手を拭くだけでもウイルス量を減らせる。できない場合は、帰宅してすぐ、せっけんと流水で手洗いし、触ったところをアルコールシートで拭いて回るといい。

 手洗いの後は、家族でタオルを共用するのは避けたい。感染防止を徹底するなら、ペーパータオルを用いるのが望ましい。

 介護をする人も免疫力が落ちると感染しやすい。十分な睡眠や栄養バランスのよい食事、運動などを心掛けよう。発熱やせきの症状がある場合はマスクを着ける。体調が悪い時には、介護を代わってもらったり、ショートステイを利用したりすることも想定しておきたい。

 風呂は、症状のある人が最後に入ろう。横林院長は「実は風呂場は、素手で鼻をかんだりしてウイルスが残りやすいんです」と説明する。出るときに全体を水で流しておく。バスタオルも一緒に使うのは避けよう。症状のある人とない人の衣類や食器は分けずに、いつも通り洗えばいい。

 分からないことが多いウイルスなので怖いと思いがちだが「見えない敵を意識しすぎて、めいってしまってもよくない。インフルエンザや肺炎球菌のワクチンを打つなど、防げるものを防ぐのも重要」という。一方、若者に向けては「かかっても大丈夫だから予防しなくていいというわけではない。高齢者や持病のある人にうつさないために、感染しないよう心掛けてほしい」と強調する。

■新型肺炎、高齢ほど高い死亡率

 新型コロナウイルスの感染患者についての中国の大規模調査の報告でも、高齢者や持病のある患者の死亡率が高かった。

 約4万5千人の感染患者を分析した中国疾病対策センターの17日の発表によると、80歳以上の患者の死亡率は14・8%に上る。一方、40代以下では0・3%で、9歳未満は死亡者はゼロ。全体では2・3%だった。持病がある患者の死亡率は、心血管疾患で10・5%だった。糖尿病や高血圧の患者ら体の免疫力が弱い人も高かった。

 広島大大学院の坂口剛正教授(ウイルス学)は「感染力は、現時点では季節性のインフルエンザと同じ程度とみられる」と説明。「中国を除く患者の死亡率はさらに低く、たいていは軽く済んでいる。冷静に手洗いなどの感染予防を続けてほしい」と呼び掛ける。

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