高齢者300人が「窒息の原因食品」を学習――老年学レポ2

11月24日に東京都健康長寿医療センター研究所が開催した第112回老年学公開講座では、「味を楽しむ」をテーマに舌やのどの機能、嚥下について無料講演が行われ、300名近い高齢者が、同研究所の自立促進と介護予防研究チーム専門副部長・平野浩彦氏の講義に耳を傾けた。

歯科医である平野氏は、「おいしく食べるためには、1.食べる機能、2.食べる環境、3.口腔の健康の3要素が必要」と述べ、中でも“食べる機能”が重要だとして口腔・咽頭・食道の3つの部屋があるとイラストを示し、食べるメカニズムを詳しく解説した。

食べる・飲み込む・しゃべる・味わう役割を果たす「舌」の解説では、舌苔(ぜったい)という“こけ”状の汚れで変色した舌と、きれいな舌の写真を比較し、口腔ケアでは歯みがきだけではなく舌の汚れを取ることも大切だと紹介された。また、X線造影の動画で食物が入ってはいけない“気管”に入ってしまう誤嚥の様子がスクリーンに映し出されると、多くの来場者が見慣れないX線造影の動画に珍しそうに見入っていた。

続いて平野氏は、ある年の75歳以上の高齢者が交通事故で死亡した数は約2,500人だが、窒息による死亡者数は約5,000人に上ることを告げ、高齢者に多い窒息事故の危険性に触れた。窒息を招きやすい食品をグラフで紹介し、筆頭にあげられた「もち」について「おもちの中でも、きなこは唾液を吸い取るので1番のどにひっかかりやすい」として、お正月を前に高齢者は特に「きなこもち」に注意するよう呼びかけた。


(平成19年度厚生労働省特別研究「食品による窒息の現状把握と原因分析」より改変)

誤嚥防止のポイントとして、平野氏は「楽しい食事に会話は必要だが、食べながらしゃべろうとすると誤嚥を招くため飲みこんでから話すこと。一口30回を目標にしっかり噛む」などをあげた。

“今日からすぐできること”では、舌を口から出して左右に振る舌のストレッチや頬をふくらませたりしぼめる口腔体操を紹介。こうした体操が面倒な人には、深呼吸をするだけでも声帯の開け閉めが起こり摂食・嚥下訓練になるとアドバイスした。
また、簡単にできるとして講義冒頭で述べた口腔・咽頭・食道の3つの部屋が正しい位置になるよう座った姿勢の写真を示しながら、「食事中の姿勢を正す」よう求めた。

最後に平野氏は、よく噛むことを心がけ、歯や舌をケアすること、かかりつけの歯科医の検診を定期的に受けたり、口腔ケア・体操教室など介護予防サービスを活用しながら、おいしい食事を楽しむ能力の維持に努めるよう呼びかけた。

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