デイサービス事業所の4割近くは、厚生労働省が感染対策マニュアルで挙げている年2回以上の職員研修を実施していないことが、「MS&ADインターリスク総研」(東京都千代田区)の実態調査で明らかになった。その理由としては、職員不足などの人材面の課題を挙げる事業所が最も多かった。
調査は2018年11~12月、全国のデイサービス事業所の約1割に当たる2600事業所を対象に行われ、693事業所から有効回答を得た。経営主体は、「営利法人」(351事業所)が最も多く、次いで「社会福祉法人」(180事業所)、「その他」(162事業所)と続いた。
厚労省の「高齢者介護施設における感染対策マニュアル」では、年2回以上の職員研修の実施を推奨し、新規職員に対しては、採用後の早い段階での開催を必須としている。さらに、「感染症が流行する時期の前に、毎年繰り返し開催し、常に最新の知識を習得できるようにし、知識の定着を図る」としている。
感染管理の研修を年2回以上行っているかどうか尋ねたところ、「実施している」は全体の62.2%にとどまり、「実施していない」は36.8%に上った。これを運営法人別で見ると、「営利法人」では、「実施していない」が44.4%を占め、「社会福祉法人」より26.6ポイント高かった。
実施していない理由のトップは、「人材面に課題(職員不足・適正職員の有無等)があるため」(38.4%)で、以下は「何をどの程度実施すべきかわからないため」(32.2%)、「研修実施の必要性について、知らなかったため」(12.5%)などの順だった=グラフ=。