ケアマネは過剰介護を助長?日経記事にCM協会が抗議

ケアマネ、過剰介護を助長?」―。いわゆる“ケアプラン有料化”をめぐる議論が大詰めを迎えていた昨年11月、ケアマネジャーの中立性を問題視した日本経済新聞の記事について、日本介護支援専門員協会が抗議文を送っていたことがわかった。

記事は昨年11月12日付で掲載され、日経側は「ケアマネには中立性が求められるが、介護サービス事業者に所属しているのが実情だ。このためグループ事業所の介護サービスをプランに入れがちとされる。収益につなげるための営業員としての側面がある」などと主張し、ケアマネの中立性を問題視した。


協会側が文書で抗議した昨年11月の日経の記事

また、「介護事業所が多い地域ほど給付費も増える」とする医療経済研究機構(東京都港区)の調査結果を引き合いに出し、「競争の激しい地域ほどケアマネが経営維持のため不必要なサービスを組み込んでいる構図が浮かび上がる」とも指摘した。

その上で、居宅介護支援費に利用者負担がないことから、「利用者からケアマネに対する質のチェックが働きにくい」とする財務省の見解などを示し、「介護費は17年度には10.8兆円となり、制度が創設された00年度の3.6兆円から3倍に膨らんだ。過剰な介護を改めるためにはケアマネの改革が一つの焦点になる」と結んだ。 

■日経「雇用先の経営と無関係ではいられない」

抗議文は昨年11月27日、柴口里則会長の名義で、日経の編集担当者あてに送られた。

協会側は、2018年度の居宅介護サービスの区分支給限度額の平均利用率が要介護1で44.4%、要介護5でも65.3%にとどまっていることや、同年度に特定事業所集中減算を請求した事業所が全体の5.5%に過ぎない点などに触れ、「介護支援専門員が適正にサービスの選定や紹介を行い、利用者の自己決定自立支援に配慮して業務の遂行にあたっている」と反論。日経側が「収益につなげるための営業員としての側面がある」とした根拠などを示すよう求めた。

これに対して日経は、翌月の12月9日に文書で回答。「日経新聞の取材では、誘導を認める事業所もありました。有識者や研究者への取材でもケアマネが親会社の営業員になってしまっているという趣旨の指摘がありました」などと主張。その上で、「一人ひとりのケアマネは公正中立な意識をもって業務を遂行していることは重々承知しておりますが、介護事業者に雇用されている以上、ケアマネが雇用先の経営と無関係ではいられない構造的な問題があると考えます」と指摘した。

■協会「『介護支援専門員の誘導』ありきの記事」

日本介護支援専門員協会は12月17日、再び柴口会長の名義で、日経側の回答に対する見解を文書で伝えた。

協会側は「介護報酬のために必要のないサービスを導入しプランを立てることとグループのサービスに誘導することは全く別の問題であり、仮に不要なプランを立てる介護支援専門員が存在するとしても中立性や独立性とは関係が薄いものです」とし、「残念ながら『介護支援専門員の誘導』ありきの認識からスタートした記事ではないのかという危惧の念を抱くものであり、極めて遺憾と言わざるを得ません」などと表明した。

ケアプラン有料化”は、次の介護保険制度改正での導入は見送られる見通しとなった。だが、社会保障審議会介護保険部会が昨年末にまとめた意見書では、「ケアマネジャーを取り巻く環境や業務の変化を踏まえ、ケアマネジャーに求められる役割を明確化していくことも重要である」としており、今後、ケアマネの「役割」が、次期改正に向けた論点として浮上する可能性もある。

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