「ケアプラン有料化」に次いで注目を集めたのが、居宅介護支援事業所の管理者を主任ケアマネジャーに限定する要件の経過措置だ。2021年3月末で終了する予定だった経過措置は、27年3月末まで延長される方針が固まった。しかし、現場関係者は急転直下で決まった経過措置延長を複雑な思いで受け止めている。
昨年4月、居宅介護支援事業所の管理者を主任ケアマネに限定する制度が導入された。この制度は3年の経過措置期間を経て完全実施される予定で、21年4月には、すべての居宅介護支援事業所の管理者に、主任ケアマネの取得が義務付けられる予定だった。
しかし、主任ケアマネではない管理者のうち、21年3月末までに所定の研修の修了を見込める人は半数に満たない。そのため、現場関係者から経過措置の延長を求める声が相次いでいた。さらに制度改正を検討する社会保障審議会介護保険部会でも、延長を求める委員が大勢を占めた。
こうした状況を踏まえ、厚生労働省は今年11月の同部会に経過措置の期限を6年延長することを提案。大筋で了承された。
厚労省が示した方針では、延長後も経過措置の対象となるのは、主任ケアマネの資格を持たない人が同じ事業所で管理者を続ける場合のみとしている。21年4月以降に新たに管理者になる場合は、主任ケアマネの資格が必要となる。ただし、管理者の突然の退職など、不測の事態については、要件の適用を一定期間猶予する。