導入の是非が議論されてきた「ケアプラン有料化」と「2割負担の対象者拡大」。いずれも、次の介護保険法改正での導入が見送られる見通しとなった。16日、厚生労働省が制度改正を議論する社会保障審議会介護保険部会に、その方針を示した。同部会は、その方針に従って年内にも議論を取りまとめる予定で、「ケアプラン有料化」の導入は、当面、回避される見込みとなった。
介護保険部会では、今年春から「ケアプラン有料化」や「2割負担の対象者拡大」の是非について議論を重ねてきた。いずれについても健康保険組合や経済団体の委員は、その必要性を主張。一方、介護事業者や利用者を代表する委員は、サービスの利用控えにつながるとの懸念から、導入を反対してきた。
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■老健の相部屋の利用者への部屋代徴収も先送り
16日の同部会で厚労省は、これまでの同部会の議論を整理した上で、「ケアプラン有料化」と「2割負担の対象者拡大」について、次の介護保険法改正には反映させず、引き続き検討することが適当とする方針を明示した。併せて、介護老人保健施設(老健)や介護医療院の相部屋の利用者に対する部屋代などの負担導入も、先送りする方針を示した。
(大詰めの議論が続く介護保険部会。取材する記者も多い)
これに対し、安藤伸樹委員(協会けんぽ理事長)や井上隆委員(経団連常務理事)らは、強く反発。改めてケアプラン有料化と2割負担の対象者の拡大などの実現を求めた。しかし、他の多数の委員は特に意見は述べず、厚労省が示した方針は、事実上、了承された。