プラン有料化、“現実”の負担は?-介護保険部会で議論

次の介護保険制度改正に向け、特に注目されるのがサービスの「給付」と保険料などの「負担」のバランスを保つための改正案だ。27日、厚生労働省は「給付と負担」に関する検討課題を6項目まで絞り込み、社会保障審議会介護保険部会に示した。その中には「ケアプラン有料化」や「利用者負担が2割や3割となる対象者拡大」も含まれている。制度改正を見据えた同部会の議論は最終局面に入ったと言えるが、それでも「ケアプラン有料化の是非」の行方は不透明なままだ。同日の議論では「ケアプラン有料化」が導入された場合の負担額について、委員と厚労省の担当者が粗く試算する一幕もあった。

厚労省が改めて示した「給付と負担」に関する検討課題は、次の通り。

ケアプラン有料化
高額介護サービス費の上限額の引き上げ
介護老人保健施設などの多床室への室料負担導入
・補足給付の対象の縮小
・軽度者への生活援助サービスの地域支援事業への移行
・利用者負担が2割や3割となる対象者の拡大

これまで制度改正に向けた検討議題として掲げてきた「被保険者範囲・受給者範囲の変更」や「現金給付の導入」は含まれていない。そのため、65歳から介護保険サービスを本格的に使うことができることや、40歳以上で介護保険料の負担が始まるなどの基本的な仕組みは、次の介護保険制度改正以降も維持される。

■方向性が見えている「高額介護サービス費」や「補足給付」
残された検討課題のうち「高額介護サービス費の上限額の引き上げ」については、医療保険に足並みを合わせる形で年収が高い人の上限額が引き上げられる見通しだ。「補足給付の対象の縮小」は、保有資産額の要件の厳格化によって実施される見込み。一方、「軽度者への生活援助サービスの地域支援事業への移行」は、同部会の委員の大半が慎重論を唱えていることもあり、次の制度改正では実施が見送られる可能性が高い。

しかし、「ケアプラン有料化」や「利用者負担が2割や3割となる対象者の拡大」「介護老人保健施設などの多床室への室料負担導入」については、明確な方向性は見えない。


(社会保障審議会介護保険部会)

■プラン有料化、平均負担は月額で千円超?
このうち「ケアプラン有料化」については、27日も議題として取り上げられた。ただし、岡良廣委員(日本商工会議所社会保障専門委員会委員)や安藤伸樹委員(協会けんぽ理事長)らは、その必要性を主張した一方、濱田和則委員(日本介護支援専門員協会副会長)や花俣ふみ代委員(認知症の人と家族の会常任理事)らは導入に反対するなど、この日の議論も平行線に終わった。議論の途中、伊藤彰久委員(連合総合政策推進局生活福祉局長)は、居宅介護支援のサービス費用の総額や利用者数などから、ケアプラン有料化が導入された場合の一人当たりの年間負担の平均額は、1万5000円から4万5000円程度になると試算。その上で、導入は慎重に検討すべきと訴えた。伊藤委員の発言を受け、厚労省の担当者も、一割分の負担が導入された場合、1人当たりの負担額は1月当たりでみると千数百円になると試算した。(※)

※いずれの試算も「居宅介護支援介護予防支援の介護サービス費用額」(2018年度は約5013億円)や「居宅介護支援などの利用者数」(19年度は約336万4000人)などを用いた粗い試算。要介護度や加算の有無に伴う単位数の変化などの諸条件は反映していない。

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