大阪府の介護施設で昨年9月、90代の入所者が介護ベッドの手すりのヒンジ部(すき間)にあごを引っ掛けて亡くなる重大製品事故の報告が事業者からあったとして、消費者庁が注意喚起している。現在、経済産業省などが原因を調べており、製品に欠陥などがあった場合は公表する。
同庁によると、重大製品事故の報告制度がスタートした2007年度以降、介護ベッドの手すりの事故は80件に上り、このうち44件で死亡が確認されている(先月29日現在)。令和になってからの報告は初めて。
過去の事故では、手すりとヘッドボード(頭側のついたて)や手すりと手すりのすき間に首を挟み込んだり、手すり自体に頭や腕が入り込んだりするなどの報告が寄せられている。
介護ベッドの手すりに関しては、09年3月にJIS(日本工業規格)が改正となり、安全性の基準が強化されているため、同庁では、使用中の手すりが新規格に適合しているか確認した上で、旧規格だった場合は、新規格の製品への交換を勧めている。新規格かどうかがわからない場合は、レンタル契約先の事業者などに問い合わせるよう求めている。
また、新規格の製品に取り換えることが困難な場合は、クッション材や毛布でふさぐなど、すき間に頭や腕などが入り込まないような対策を講じるよう促している。