財務省は9日、財政制度等審議会(財政審、財務大臣の諮問機関)の分科会を開き、社会保障の新たな改革案を示した。いわゆる“ケアプラン有料化”については、「利用者自身がケアプランに関心を持つ仕組みとした方がサービスの質の向上につながる」などとして、導入の必要性を改めて主張。終了後に記者会見した増田寛也分科会長代理(東大公共政策大学院客員教授)によると、同省の提案に対して、複数の委員から賛同の声が上がったという。
分科会終了後に記者会見した増田分科会長代理
改革案は、同省が今年4月に出した提案を一部修正したもので、介護分野では、重点項目として8項目が示されている。
同省は今回、「介護保険制度の創設から約20年が経ち、制度が浸透していること」や「利用者自身がケアプランに関心を持つ仕組みとした方がサービスの質の向上につながると考えられること」を理由に、居宅介護支援に利用者負担を導入すべきとしている=図=。
また、要介護1・2の利用者への訪問介護と通所介護については、「生活援助型サービスをはじめとして、全国一律の基準ではなく、地域の実情に合わせた多様な人材・多様な資源を活用したサービス提供を可能にすべき」とし、地域支援事業への移行を改めて主張。さらに、利用者負担に関しても、改めて「原則2割」を求め、実現に向けた段階的な引き上げも提案した。
増田分科会長代理によると、“ケアプラン有料化”について委員からは、「介護保険制度の導入から20年近くが経過している。無料であることを見直すべきだ」「第7期になる時の議論の宿題だった。社保審の介護保険部会でも多くの意見が賛成。やはり、負担を入れて改革を実施すべきだ」などの声が上がった。
中には、「将来の持続可能性の観点から、介護の利用者負担をもう少し上げてもいいのではないか。その際、利用頻度に応じて負担割合を幾つか設定することも考えていくべきだ」と指摘する委員もいたという。