日本慢性期医療協会(日慢協)の武久洋三会長は12日、介護保険法改正に向けた議論の焦点となっているケアプラン有料化について、「まもなくなるでしょう」とし、その導入が現実味を帯びているとする見解を示した。また、ケアマネジャーの国家資格化については「すべき時期には来ている」と述べた。
武久会長は、介護保険財源の厳しさを改めて指摘。その上で、サービスを利用する人の負担の割合をさらに高めるより、ケアプラン有料化を導入する方が現実的とした。
導入の時期については「(ケアプラン有料化に向けた議論は)多分、2024年度の(診療報酬・介護報酬)同時改定くらいが山になる」と予測した。また、ケアプラン有料化が導入されれば「ケアマネの間で優劣がつく」とも述べた。
■ケアマネの国家資格化「すべき時期には来ている」
日本介護支援専門員協会などが求めているケアマネの国家資格化については、ケアマネの人数や役割などから考えて、「するべき時期には来ている」とした。その一方、現場のケアマネが職能団体などを通し、国家資格化の実現を強く訴える必要があるとの見解も示した。
■高まる病院での介護ニーズ、「『基準介護』の設置を」
また武久会長は、医療を受けている間に要介護状態になる患者が多い点を問題視。特に長期間にわたり膀胱にバルーンカテーテルを留置すると、尿路感染などのリスクが高まる上、身体機能の低下にもつながることから、日慢協でバルーンカテーテルが実施された患者についての調査に乗り出す方針を示した。
(記者会見する武久会長)
具体的には、急性期病院から患者を受け入れる日慢協の会員の病院に対して、バルーンカテーテルが実施された患者をどのくらい受け入れたかなどを調べる。調査は年内にも行われる見通しだ。
武久会長は「看護の手間軽減のためにバルーンカテーテルを実施しているケースがあれば、それは問題」と指摘。その一方、急性期病院でも高齢の入院患者が増え、介護のニーズが高まっていることから、病院などに介護福祉士を配置する「基準介護」を設けるべきとも訴えた。