薬の包装の誤飲が多数、認知症による事故も―消費者庁が注意喚起

高齢者が食品や飲料以外を誤って飲み込んだり食べたりした事故件数が、2010年12月から今年6月までで計318件に上ることが、消費者庁の集計で分かった。製品別のトップは「医薬品の包装」の116件で、年代別では75歳以上が226件と、65~74歳の2.5倍に達した。同庁では、医薬品の包装シートを1錠ずつに切り離さないようにするなど、注意を呼びかけている。

同庁は今回、全国の協力医療機関(今年6月時点で24カ所)から寄せられた事故情報を集計した。年代別では「85歳以上」が80件で最も多く、次いで「80~84歳」(78件)、「75~79歳」(68件)などと続いた。男女別では、女性が57.2%を占めた。

製品別のトップは「医薬品の包装」(116件)で、このうち少なくとも83件は、アルミ製のシートに1錠ずつ包装してある「PTPシート」だった。以下は「義歯・詰め物」(67件)、「洗剤や漂白剤等」(39件)、「オーラルケア商品」(16件)、「乾燥剤・保冷剤等」(15件)などの順=グラフ=。



※クリックで拡大

事故で危害を受けた部位では、「食道」が全体の34.9%を占めたが、全身に及んでいる事故も23件あった。危害の程度は、入院する必要のない「軽症」が82.4%に達し、「死亡」は2件だった。

318件のうち、認知症の患者による事故が少なくとも37件あった。事例では、「デイサービス中に口を動かしている認知症の患者を職員が発見。口腔内からたばこの葉が出てきた。嘔吐3回あり。意識障害あり。胃洗浄を行う」(80代男性)、「自宅で苦しそうにしているのを家族が発見。様子を見ていたところ、もたれるようにして意識を消失し、救急要請。家族が胸を圧迫したところ、口の中から介護用ゴム手袋が出てきた。救急搬送され、チューブを挿入し吸引するなど処置したが、既に肺炎の兆しがあり。窒息した後、死亡確認となった」(同)などがあった。

■薬のシートは1錠ずつ切り離さない

消費者庁では、「高齢者が食品や医薬品以外のものを間違えて口にする事故は、ご自身では気づかない場合が多く、家族や介護者ら周囲の人が気を配ることが大切だ」として、以下の点に注意するよう促している。

(1)医薬品の包装シートは1錠ずつに切り離さない。
(2)定期的に歯科を受診し、義歯を良好な状態に保つとともに、食後に義歯を確認する。
(3)食器の中に洗剤や漂白剤を入れて放置しない。
(4)食品や飲料とそれ以外のものは別の場所で保管する。
(5)食品の容器に食品以外のものを移し替えない。
(6)誤飲・誤食すると危険なものは、認知症の方の手の届かないところに保管する。

同庁では、誤って飲み込んだ直後に異常がなくても、経過を観察した上で、いつもと様子が異なる場合は、医師や専門機関に相談するよう呼びかけている。

◎同庁のホームページ

介護食の基礎知識

介護のキホン

介護シーン別に基礎を知る

みんなが注目する基礎知識

要介護度とは?

要介護度とは?

介護度は7段階に分かれていて、要支援1・2、要介...

介護度別ケアプラン事例

介護度別ケアプラン事例

<要支援1>支給限度額49,700円、自己負担額...

デイサービス(通所介護)の選び方

デイサービス(通所介護)の選び方

デイサービスは曜日によって利用者が異なり、雰囲気...

家族で話し合おう

家族で話し合おう

家族で話し合おう...

介護用語を調べる

頭文字から探す

 
 
     
 
         
A B C D E F G H I J K
L M N O P Q R S T U V
W X Y Z              

キーワードから探す

このページのトップへ