2018年度にストレスなどによって精神疾患となった人が、労災申請した件数は1820件で過去最多になったことが、厚生労働省の調査で分かった。業種別では、「社会保険・社会福祉・介護事業」が最も多かった。
精神疾患による労災申請を業種別にみると、「社会保険・社会福祉・介護事業」が192件で最多。このうち女性による申請は135件だった。自殺や自殺未遂に至った件数は6件だった。
次いで多かったのは「医療業」の127件。このうち女性の申請は104件、自殺や自殺未遂に至ったのは9件だった。介護と医療、福祉関連だけで、精神疾患による労災申請の約18%を占めた。
以下は「道路貨物運送業」(89件)、「総合工事業」(68件)、「情報サービス業」(65件)、「飲食店」(58件)、「その他の事業サービス業」(56件)、「輸送用機械器具製造業」(54件)、「その他の小売業」(52件)などの順となった。
■精神疾患による労災申請、6年連続で過去最多
精神疾患による労災申請が1820件となったのは、1983年の統計開始以降最多。また、6年連続で過去最多を更新した。労災認定され、労災保険給付が決まった件数は465件で、このうち76件は自殺や自殺未遂に至ったものだった。
■原因で目立つ「嫌がらせ」「業務内容の大きな変化」など
労災保険給付が決まった465件について精神疾患の原因を分析したところ、「嫌がらせ、いじめ、暴行を受けた」と「仕事内容や量に大きな変化があった」が、いずれも69件で最も多かった。次いで多かったのは「悲惨な事故や災害を体験、目撃した」(56件)だった。
「1カ月に80時間以上の時間外労働を行った」は45件、「セクハラを受けた」は33件となった。セクハラによって精神疾患に陥った人は、全て女性だった。