オーラルケアに関して、口内環境を健康に保つことの重要性について研究している花王株式会社ヒューマンヘルスケア研究センターは、ネバつき・口臭・乾きなどの口腔の不調と、冷え・むくみなどの身体の不調の関連性について調査し、10月20日にその結果を発表した。
口腔の不調の要因のひとつとして、ストレスなどによる唾液の分泌減少があり、身体の不調にもストレスが関係していることが知られている。口腔の不調と身体の不調には何らかの関連があると考えられるが、これまで両者の関連性についてはほとんど調べられていなかった。
そこで同社は、女性551名(全国在住20〜59歳)を対象に、口腔の不調と身体の不調について意識実態調査を行ない、統計手法を用いた解析を行なった。
口腔の不調は、「歯周病因子」「歯の着色・付着因子」「口内環境悪化因子」「むし歯因子」「歯の痛み・炎症因子」「咬合因子」「口腔粘膜刺激因子」の、7つの独立したグループに分類できた。
この「口腔不調7因子」と、日常生活において女性が感じやすい身体の不調11項目(冷え・むくみ・ドライアイ・胃の不調・肩こり・腰痛・目の疲れ・不眠・疲労感・倦怠感・イライラ感)との関連性を調べたところ、口腔の不調と身体の不調には多くの関連性があることが判明した。
特に、「口内環境悪化因子」(ネバつき・口臭・乾きなど)はほかの因子に比べて身体の不調との関連が強く、腰痛以外の身体の不調10項目と有意に関連性が認められた。その中でも、冷え・むくみ・胃の不調・疲労感・倦怠感との関連が強い可能性があることがわかった。
また、同社は調査対象者を有職者(フルタイム就労)277名と専業主婦274名に分けた解析も行なっており、その結果、有職者の方が専業主婦に比べてストレス度が高く、身体の不調や「口内環境悪化因子」の不調も強く感じていることがわかった。この結果からも、ストレスが口腔と身体両方の不調に影響していると考えられる。
■調査結果:口腔の不調と身体の不調との関連
■関連記事
・ベテラン歯科衛生士が口腔ケアを徹底解説――口腔ケアセミナーレポート
・和光堂、要介護者向け口腔ケアブランド「オーラルプラス」発売