国民生活センターは、10月21日、悪質な住宅リフォーム工事のトラブルが再び増える傾向にあり、中でも認知症のお年寄りが被害にあうケースが目立つとして注意を呼びかけている。
同センターによると、全国の消費生活センターなどに寄せられた住宅リフォーム工事の苦情やトラブルに関する相談は今年4月から9月までに2,400件あり、去年の同じ時期より12%も増加。契約該当者は70〜80代が多いが、このうち80歳以上の割合が増え、現金や口座振込による一括払いが9割と大幅に増えているのも特徴だという。
また、自分で十分判断できない認知症のお年寄りなどが結んだリフォーム契約に関する相談は113件に上り、去年に比べ14%増えていた。例えば、80代の男性は、2カ月間に6業者と1,300万円の契約を結んでいた。80代の女性は業者に勧められるままに断り切れずに300万円の床リフォーム工事の契約をしていた。
住宅リフォーム工事のトラブルの相談は、2002年度に消費者への情報提供を始めてから2005年度をピークにいったん減少傾向にあったが、2009年度から再び増加に転じてきているという。
対策としては、認知症の症状が見られる場合は日頃から家族や身近な人が認知症のお年寄りの変化に気をつけること、成年後見制度を積極的に活用すること。もし、トラブルに遭って無条件に解約できる8日間を過ぎていても、業者による不当な勧誘があった場合などは解約が可能なので、最寄りの消費生活センターに相談するように呼びかけている。
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