9月に入り…スーパーマーケットの棚にも「梨」が並ぶようになりましたが、
この梨を見ると思い出されることがあります。
私は長年、訪問介護の現場におりまして、その後、ケアマネジャーへ転身しましたが、
当時、ひとり暮らしの女性利用者様宅へ生活支援で訪問した時のこと。
支援のメインはお買物後、調理をさせていただくのですが、なにげに私の方から
「今日は○○さんご出身地の郷土料理を一品作りませんか?ぜひ教えて下さい。」
と切り出すと、とても興味を示され、冷蔵庫にあった梨と豆腐で「梨の白和え」を
教えていただくことになりました。
梨の皮を剥いた後、一口大にカット、水切りした豆腐をくずし、梨と和えるといった
手順はいたってシンプルでしたが、利用者様の表情が明るくなった上、ご自分から
率先して行動されるお姿を見て「自分で献立を考える」「料理手順を他者に指導する」
といった行為が自然に自立支援となっていたことを改めて気づかされました。
加えて、私がこのメニューを他の利用様宅で調理をさせていただく機会があり、
「さっぱりして美味しいわね」とご好評で、そのことをまた教えていただいた利用者様
にご報告すると、自分の郷土料理が私を介して伝わりよほど嬉しかったのか、それ以降
私が訪問をする度、「今度はこれを作ってあげれば~」と積極的に珍しい簡単なレシピ
を教えて下さるようになり、私の方もおかげさまでご高齢者向きの料理のレパートリー
が増える、といったwin- winの状態となりました。
ちょっとしたきっかけ、声かけ次第で、利用者様の自立度が上がりかつ介護者の成長に
つながる、これが私の思う『自立支援介護』であり、心身のリハビリ要素を取り入れた
介護と言い換えても良いと思います。
世代に関係なく、お互いが「高め合える」関係性を築けるように
日々心がけたいものです。。。