AI(人工知能)を使って介護計画書の作成業務の効率化を図ろうと、金沢工業大は、訪問介護事業者向けの業務支援システムの開発・販売などを行う「ロジック」(金沢市)との共同研究を開始したと発表した。同大は現在、ロジックが持つ利用者のビッグデータをAIに学ばせており、両者は年度内のサービスの提供を目指している。
ロジックは、介護・看護支援システム「Care-wing」の開発・販売を手掛けている。同システムは、ヘルパーが利用者宅のICタグをスマートフォンにかざすことで、サービスの開始・終了時刻や介護記録の情報などをクラウド上に送信する仕組みで、共同研究では、同社が保有する約7万人の利用者のデータを匿名化して活用する。
介護計画書は、サービス提供責任者が原則3カ月ごとに更新する必要があり、介護現場で大きな負担となっている。両者は、AIによるビッグデータの解析を進め、最終的に介護計画書の自動作成の実現を目指す。その第一段階として、年度内にも、利用者の年齢や要介護度などの情報をAIに入力すると、過去のデータの中から、状況が似ている計画書の項目を提案できる仕組みを構築する。