厚生労働省は、2015年の市区町村別の平均寿命の推計値をまとめた。平均寿命のトップは、男性が横浜市青葉区の83.3歳、女性が沖縄県中頭郡北中城村の89.0歳で、男女ともに最下位だった大阪市西成区と比べると、男性は9.8歳、女性は4.6歳の開きがあった。
推計は2000年以降、国勢調査の実施に合わせて5年ごとに行われており、今回で4回目となる。対象となったのは、福島第一原子力発電所の事故で「避難指示区域」などに指定されていたり(15年10月1日時点)、事故の影響で人口が著しく減少したりした福島県内の8町村(双葉郡楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、相馬郡飯舘村)を除く1888 市区町村。
平均寿命の全国平均は、男性が80.8歳、女性が87.0歳。男性で最も高かったのは横浜市青葉区で、以下は川崎市麻生区、東京都世田谷区などの順だった。また、女性のトップ3は沖縄県中頭郡北中城村、同県同郡中城村、同県名護市と続き、すべて沖縄だった。北中城村は前回と前々回に続いて3回連続の首位となった。
一方、男女共に平均寿命が最も低かったのは大阪市西成区で、男性は73.5歳、女性は84.4歳だった。いずれも前回に続く最下位で、男性は調査が始まった2000年以降、“ワーストワン”が続いている=表=。
下位の10市区町村を見ると、男性では、青森の7市町が名を連ねている。厚労省の担当者は、「がんや脳血管疾患など、主要な疾患の死亡率が高いことは間違いないが、明確な理由は分からない」としている。
■男女差の開き、最大で10.9歳
平均寿命の男女差の平均は6.2歳で、最も開きが大きかった大阪市西成区(10.9歳)は、2位の鹿児島県大島郡天城町(8.7歳)を大きく引き離している。一方、最も小さかったのは奈良県生駒郡平群町(4.8歳)で、大阪市西成区との差は6.1歳だった=表=。