日本老年精神医学会は、来年の改正道路交通法の施行を前に、「改正道路交通法施行に関する提言」をまとめ、厚労省などに提出した。
平成27年度の交通安全白書によれば、わが国の四輪者乗車中事故死者の43.8%を高齢者が占めている。さらに、昨今では、高齢運転者による児童を含む歩行者を巻き込んだ死亡事故のニュースが後を絶たない。こうした情勢を鑑み、同学会では、平成29年3月の改正道路交通法施行に向けて、以下のとおり提言(概略)を発した。
1道路交通インフラの安全対策、高齢運転者を支援するハードウェアの開発促進
…高速道路パーキングエリア等での逆走防止用ゲート設置 等
2運転免許証の取り消し・自主返納に対応する「生活の質」の保証
…免許の返納が、高齢者やその家族の生活の質を下げることがないよう、代替支援策を並行して進める 等
3高齢者講習会での実車テスト等について
…運転能力は、講習予備検査(認知機能検査)、その他の認知機能検査、実際の運転技能の評価等から総合的に判断されるべき 等
4「認知症」と一括されていることの問題点
…「認知症」と一括りにして運転を制限するのではなく、その個人が生活する場の特性を踏まえて、現実的な能力評価に根ざした判断が必要だと考えられる 等
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◎公益社団法人 日本老年精神医学会
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