エーザイ株式会社は、11月18日、自社創製BACE阻害剤「E2609」の開発が米国医薬食品局(FDA)のファストトラック指定を受領したと発表した。FDAのファストトラックは、重篤な疾患に対する新たな治療法などを満たす可能性のある薬剤について、開発から審査までの迅速化を目的としたもの。
世界初の認知症薬「アリセプト」で知られるエーザイでは、次世代経口アルツハイマー病治療剤としてBACE(βサイト切断酵素)阻害剤「E2609」を開発。BACEはアミロイド前駆体タンパク質のβサイトを切断するAβ産生の律速酵素で、E2609はBACEを阻害することで、毒性種と考えられる脳内のAβ凝集体を減少させ、病態の進行を抑制する疾患修飾作用が期待されている。同社では2016年10月より、バイオマーカーで早期アルツハイマー病と判定した1,330人を対象にE2609の最初の臨床第III相試験を開始している。
臨床試験結果によっては、新薬承認申請時に優先審査に指定される可能性もあり、早期アルツハイマー病患者に新たな治療選択肢の提供が期待される。
◎エーザイ株式会社 ニュースリリース
http://www.eisai.co.jp/news/news201683.html