DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの成分を含む魚油は、朝に摂取するのが良いとする研究結果がこのほど発表された。
DHAやEPAは、生体の機能維持に必要な脂肪酸で、魚油に多く含まれる。ヒトの体内ではほとんど作られないが、食事で取り込むことにより、心血管障害の抑制や抗アレルギー、脳機能向上、脂質代謝改善などの多様な効果が期待できる。一方で、摂取時刻と機能性との関連性についてはこれまで全く不明だった。
研究を行ったのは、産業技術総合研究所とマルハニチロの共同研究グループ。
マウスを使った実験で、魚油を含んだ果糖過剰食を、活動前に摂取する群(朝摂取群)と活動後に摂取する群(夕摂取群)に与えて比較したところ、朝摂取群のほうが脂質代謝異常をより効率的に改善することがわかった。
また、朝食時の魚油の摂取が、夕食時の魚油の摂取よりも、血中のDHAやEPA濃度を高める効果があることも確認されたという。
血圧、糖代謝や脂質代謝といった生理機能には「日内リズム」があり、体内時計によって制御されていることがわかっている。この研究も日内リズムとの関連性に着目して行われたもので、研究グループは今後、ヒトにおいても実証を進めていく予定だという。
◎国立研究開発法人 産業技術総合研究所 研究成果
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2016/pr20161101/pr20161101.html