公共の場所における自動体外式除細動器(AED)の普及に伴い、心停止からの救命者数が増加している。京都大学の石見拓教授や大阪大学の北村哲久助教らの調べで明らかになった。
研究グループは、2005年から2013年までの間に救急搬送された全国の心肺停止患者を調査。調査期間中に発生した患者は43,762人で、そのうち10%にあたる4,499人が市民による電気ショックを受けていた。その割合は、2005年の1.1%から2013年には16.5%まで増加しており、順調に回復した1カ月生存者の割合は、市民による電気ショックがない場合の18.2%と比べ、ある場合では38.5%と、有意に高い結果となった。
市民による電気ショックが貢献して順調に回復したと考えられる1カ月生存者の見積もり数は、2005年の6人から、2013年には201人まで増加しており、AEDを用いた電気ショックの実施の増加が、生存者の増加に貢献したといえる。
日本で、市民によるAEDの使用が法的に許可されたのは2004年7月。設置台数は、2013年には42万台を超えている。
◎京都大学 研究成果
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2016/161027_1.html