日清オイリオグループは、このほど、ココナッツやパームフルーツに多く含まれている天然成分の中鎖脂肪酸に認知症の改善効果があるとの報告を行った。第17回日本認知症ケア学会大会で発表した内容による。
それによると、若年性認知症者向けデイサービスや通常のデイサービスそれぞれの利用者、および特別養護老人ホームの入所者に、一定期間中鎖脂肪酸を摂取してもらい、認知機能などのテストを行った結果、認知機能や計算・記憶に関する機能に改善が見られた。
たとえば、特別養護老人ホームに入居する認知症者の場合、3名に対して20gの中鎖脂肪酸を4~5週間摂取してもらい、観察式の評価スケールで症状の変化を評価したところ、会話や記憶面などに改善したデータが得られ、1名は自身の名前が書けるようになった。4gの中鎖脂肪酸を3ヵ月間摂取した別の入居者5名では、栄養状態の改善が認められ、中鎖脂肪酸20gを5ヵ月にわたって摂取した別の13名では、4名に症状の改善傾向が見られた。
また、それぞれの利用者や入居者の日常を観察したところ、表情などの変化や積極性の改善、精神的な落ち着きを取り戻すなどの変化が見られた人がいた。
同社では、認知症に関わる中鎖脂肪酸の健康機能について引き続き症例を積み上げ、外部機関とも協働して臨床研究を進めることで、その有効性を明確にしていきたいとしている。
◎日清オイリオ ニュースリリース
http://www.nisshin-oillio.com/company/news/archive/2016/20160627_144633.shtml