国土交通省はこのほど、今後のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を、単なる住まいではなく、地域包括ケアを担う存在として、まちづくり全体の中で位置づけていく考えであることを明らかにした。
同省は、2014年から計7回にわたり、今後のサ高住のあり方と施策の方向性について検討を重ね、5月23日、そのとりまとめを公表した。
とりまとめでは、日常生活圏域を目安に、高齢者の住まいと医療・介護等のサービスが適切に提供される体制を実現するとともに、サ高住をまちづくり全体の中で位置づけていく方針を示した。
具体的には、市町村のまちづくり計画に基づいた立地誘導を推進する。これまでは、郊外や公共交通機関・医療機関へのアクセスが悪い地域に立地するケースがあり、利便性の悪さが指摘されていたが、今後は市町村による計画や方針策定を促し、それに沿った立地を求める。建物の共有部分についてもルール作りを進め、空間の質も高めていく考え。
また、医療機関・介護サービスとの連携に対する支援重点化や、設備の更新・サービス施設の併設なども促進していく。入居者が重度化したり認知症を発症したりした場合でも、必要なサービスを継続して受けられるようにするためだ。
あわせて、介護サービス利用の適正化も図る。特定の介護事業所利用の誘導や過剰な介護サービスの提供が行われないよう、有料老人ホーム設置運営指導指針等を踏まえた指導監督を推進していく。保険者によるケアプラン点検も推進していく方針だ。
◎国土交通省 今後の高齢者向け住宅のあり方と施策の方向性についてとりまとめ
http://www.mlit.go.jp/report/press/house07_hh_000153.html