国土交通省は5月13日、「2016年版首都圏白書」を発表した。
「首都圏白書」とは、政府が毎年度国会に対して、首都圏整備計画の策定および実施に関する状況について報告するために作成しているものだ。
今年度の白書では、首都圏の高齢化の状況について章を割き、将来の展望について述べている。
それによると、今後の首都圏では高齢者の増加と生産年齢人口の減少が見込まれるなか、都心部において、2010年には、高齢者1人を生産年齢人口2人以上で支えているのが、2040年にはほとんどの地域で2人未満で支えることになると推計。また、2040年の都心部から50km以上離れた縁辺部では、高齢者1人を生産年齢人口1人未満で支える市町村が多数出現すると推計している。
一方、結婚や出産後もキャリアを積むことを希望する女性や、退職後も働く意向を持つ高齢者が増加していることから、女性活躍の促進、高齢者参画社会の構築、ユニバーサル社会の実現など誰もが働きやすい環境づくりを社会全体で進めることが重要であるとしている。
また、ニュータウンが多く立地する都心部からおおむね50km以内の郊外部では、後期高齢者の急速な増加が見込まれるなか、高齢者単独または夫婦のみの世帯数が増加し、まちとしての活力の低下が生じる恐れがあること、同地域ではとくに介護施設などの需要が高くなると見込まれることから、高齢者が生きがいや役割を持って地域で生活していくための介護予防、介護施設などの着実な整備、首都圏が連携して超高齢社会への対応を進めることが重要であると指摘している。
◎国土交通省 2016年首都圏白書
http://www.mlit.go.jp/hakusyo/syutoken_hakusyo/h28/h28syutoken_.html