日本能率協会は、3月7日、仕事と介護の両立のポイントを探るため、ビシネスパーソンを対象に行った調査の結果を発表した。
調査は、2015年12月28日から2016年1月6日までの期間、同法人のリサーチモニターである20代~60代の男女のビジネスパーソン1,000人を対象にインターネットで実施した。そのうち介護経験が「ある」が20.9%、「ない」が79.1%で、60代では40.0%に介護経験(介護の主な担い手として、補助的な役割として)があった。
介護離職に対してどう考えるかを訊ねたところ、19.0%が「離職しない」、27.4%が「できればしたくない」、32.0%が「わからない」、16.4%が「状況によっては離職する」、5.2%が「する」と回答した。
介護をする場合の仕事への影響で最も多かったのが「就業時間の制約」(39.6%)で、介護経験者では47.8%が回答した。
介護についての不安は、「経済的に苦しくなること」(43.7%)、「自由時間に制約がでること」( 39. 2%)、「体力が続かなくなること」(38.2%)の順に多かったが、介護経験者では「自由時間の制約」(54.1%)、未経験者では「経済的に苦しくなること」(44.9%)がそれぞれ最多で、介護経験の有無で違いがみられた。
介護経験のない人に、家族に介護が必要になったとき、主な担い手として誰を想定しているかを訊ねたところ、「どうするかわからない」が58.8%と6割近くを占め、「自分または家族が主な担い手」は28.3%、「介護施設・サービスが主な担い手」は12.9%にとどまった。
介護と仕事の両立のために職場に望むことは、「介護する社員に理解がある社風」が29.6%で最も多く、次いで「介護休暇制度」「上司・同僚の理解」がともに29.2%だった。また、介護経験者が望む両立支援制度は、「フレックスタイム」(34.4%)、「介護休暇」(33.5%)、 「短時間勤務」(30.6%)の順に多かった。
同協会は、調査の結果から、介護は実際に直面しないと実感がわきにくい傾向にあるが、職場には両立支援制度と介護する社員への理解を望んでおり、介護経験者の回答からとりわけ働く時間に柔軟な対応が求められている、と分析。いざというときに困らないよう、日ごろから家族で介護について話し合い、職場の支援制度を知っておくなど事前に備えておくことが必要、とまとめている。
◎日本能率協会 ニュースリリース
http://www.jma.or.jp/news/release_detail.html?id=385