10月7日から9日まで開催されている国際福祉機器展(H.C.R.)では、開発中のユニークな機器も多く見られた。
名古屋大学からは、要支援から要介護1程度の高齢者を対象とした、全方位移動可能な杖型歩行支援ロボット「インテリジェントケイン」が出展された。
このロボットの特徴は、隙間から発せられるレーザーが高齢者の足の動きをとらえ、姿勢が不安定になると転倒しそうな方向へ先回りして転ぶのを防ぐこと。「転倒防止」という意味を込めて、「てんとう虫」の柄が採用されているのもおもしろい。
今年6月から国立長寿医療研究センターで臨床応用がはじまっており、効果を示すデータが集まりつつあるようだ。目新しさもあり、利用する人のモチベーションアップにもつながっているという。
日本アシストからは、「ロボット便座」が出展された。
温水洗浄したあとにお尻に残る水滴を、拭きとりアームが自動で拭くというものだ。
排泄し洗浄した後に、備え付けのボタンを押すと、アームが出現。給紙部にセットしたトイレットペーパーの巻きとりから拭きとり、その後の処理まで自動で行われる。
高齢の要介護者や障害者の、自己実現と尊厳保持を持続させることを目的としており、厚生労働省の障害者自立支援機器等開発促進事業にも採用されている。販売は2016年夏ごろをめざしているという。