緑茶の摂取量が多い人ほど全死亡リスクが低下することが、5月7日、国立がん研究センターの研究結果より明らかになった。
同センターは、40~69歳の男女約9万人を平均19年間追跡。その間に亡くなった人について、緑茶の習慣的摂取と死亡リスクとの関連が検討された。
解析の結果、緑茶の摂取量が1日1杯未満の群の全死亡リスクを1とした場合、1日5杯以上摂取する群では全死亡リスクが男性で0.87、女性で0.83と低くなり、摂取量が増すにつれてリスクが下がる負の相関がみられた。
死因別にみると、がん死亡との関連は男女ともみられなかったが、心疾患による死亡は男女とも低く、脳血管疾患と呼吸器疾患については男性でのみ低いという結果であった。
死亡リスクの低下がみられた理由として、同センターでは、緑茶に含まれるカテキンやカフェインなどの効果によるものと分析している。
緑茶に含まれるカテキンには、血圧や体脂肪、脂質を調節する効果のほか、血糖値改善効果があるといわれる。また緑茶に含まれるカフェインには、血管を修復して健康に保つ効果や、気管支拡張作用による呼吸器機能の改善効果があるといわれている。
◎国立がん研究センター
http://www.ncc.go.jp/jp/index.html