理化学研究所は、1月15日、グローバル研究クラスタ疾患糖鎖研究チームの木塚康彦基礎科学特別研究員らの研究グループが、アルツハイマー病を進行させる糖鎖を発見したことを発表した。
研究グループは、脳に豊富に存在する「バイセクト糖鎖」がアルツハイマー病を進行させることを発見。
糖鎖とはタンパク質に糖が鎖状につながったもので、アルツハイマー病患者の脳ではバイセクト糖鎖の量が増えていることがわかっている。
研究グループは、バイセクト糖鎖を作る酵素をもたないマウスを用いて、アルツハイマー病の原因であるアミロイドβの脳内の蓄積を調べた。すると、バイセクト糖鎖がないマウスでは、アミロイドβの蓄積が激減し、記憶能力の低下が抑えられていることがわかった。
バイセクト糖鎖を作る酵素を阻害する薬剤ができれば、新たなアルツハイマー病治療薬となる可能性があるとして、研究グループはそのような働きをもつ化合物について研究を進めている。
◎理化学研究所
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